歯科
虫歯治療で重要なのは「早期発見・早期治療」です
歯科治療は早期発見・メンテナンスが大切です。進行状況や治療方法を確認し、自己管理に努めましょう。
「冷たい物が歯にしみる」「歯の色が少し変わった」
そんな自覚症状があるにも関わらず、痛みがないからと放置していませんか?その後「あのとき歯医者に行っていればよかった」と後悔したことはあるはず。
風邪など軽い体調不良と違い、虫歯は体力や免疫力で自然治癒するものではありません。虫歯は一度進行してしまったら決して元通りにならないのです。
「早期発見・早期治療」は虫歯治療の要
虫歯になってしまった後、後悔しないために大切なのは「早期発見・早期治療」です。
虫歯治療は、発見が早期であるほど患者様の身体、そして期間や費用面での負担が大幅に軽減します。しみたり痛みを伴う段階は虫歯はかなり進行していますので、些細なことでも見た目の変化や違和感を覚えたらすぐにご相談ください。
虫歯はどうやってできる?
口腔内に細菌が繁殖し、食べ物に含まれる糖質を餌に発生した酸が、歯の表面を溶かして穴を開けていく状態を一般的に虫歯といいます。そして、虫歯ができる過程を「脱灰(だっかい)」といいます。
初期の脱灰であれば、唾液に含むカルシウムやリンで修復できます。この現象を「再石灰化」と呼びます。食事をする度に、口の中では「脱灰」と「再石灰化」が日常的に繰り返されているのです。
こういった「脱灰」と「再石灰化」のバランスが取れている場合は虫歯になりにくい状態です。ですから、毎日の歯磨きの徹底や、必要以上の糖質摂取を控えることなど、健康的な食生活への改善が一番の虫歯予防です。
しかし、脱灰に再石灰化が追いつかなくなり、初期の状況以上に進行してしまった脱灰=虫歯は、二度と自然治癒することはありません。したがって、その状態になってしまったら早めに歯科医院に通うことをお勧めします。
虫歯の進行状態と治療方法
虫歯の進行状態は、一般的にCo~C4の4段階に分けられます。「C」とは、専門用語で虫歯を指す「カリエス」の頭文字です。進行具合によって治療内容が変化しますので、段階ごとの状態と治療方法を認識することが大切です。
Co(シーオー:初期う触)
歯の表面が溶け始めた虫歯の初期状態です。この段階であれば、フッ素入りの歯磨き粉できちんと歯磨きすれば再石灰化が可能です。
C1(エナメル質う触)
歯の表面を覆うエナメル質が虫歯菌によって溶かされ、小さな穴ができた状態です。エナメル質の下の象牙質まで達していないので痛みは伴いません。この段階は、虫歯の部分を削り保険適用内の白い詰め物をします。
C2(象牙質う触)
象牙質まで虫歯が達している状態です。冷たいものや甘いものがしみることがあり、触ると痛みますので治療は麻酔をします。範囲が小さい虫歯には保険適用内の白い詰め物をして完了。虫歯が歯の深部にまで達している場合は、麻酔をして患部を削り型を取り、製作した詰め物を装着します。
C3(神経まで達したう触)
虫歯がエナメル質と象牙質を溶かして神経まで達した状態で、激しい痛みを伴うことが多いです。神経が壊死してしまうと細菌が根の外で炎症を起こし膿が出たり、歯ぐきが大きく腫れます。この段階になると根管治療が必要です。麻酔をして壊死した神経や膿を取り除き、歯の根の中をキレイにしてから被せ物をします。
C4(残根状態)
歯のほとんどがなくなり根だけが残っている状態です。治療可能な歯質が残っている場合は根管治療を行ってから被せ物をします。しかし、悪化している場合は余儀なく抜歯になるケースが多いです。
【根管治療】歯の神経も丁寧に治療します
菌が神経まで達してしまう過度な虫歯は、食事が思うように摂れなくなったり、頬やリンパが腫れて常に痛みを伴い、日常生活に支障をきたしてしまいます。
そこで、神経が菌に侵されてしまった場合は神経と神経の通る「根管」を洗浄・殺菌します。キレイに洗浄・殺菌した後は、殺菌剤を詰めてしっかり密封します。菌の浸食具合によって、消毒に必要な時間は変わります。
また治療が完了しても、一度治療した歯や神経は再感染しやすくなります。定期的なメンテナンスや予防、自己管理をしっかり行いましょう。
iTero5D(口腔内スキャナー)を虫歯治療にも使用しています
iTeroは、口腔内をデジタルスキャンし、3Dモデルで歯型を再現するシステムです。
当院で導入しているiTero5Dには、近赤外線(NIRI)という機能があり、歯と歯の隣接面の虫歯を発見できます。この新機能によりレントゲンを使用しなくても、虫歯の早期発見、早期治療が可能になりました。
またレントゲンやCTスキャナーというと、放射線の影響を気にする方がいらっしゃいますが、iTeroは放射線を一切使用しないため、被曝の心配がなく妊娠中の患者様にも安心してご利用いただけます。