ボトックス治療
歯科におけるボトックス治療
歯ぎしりや噛みしめ・喰いしばり、顎関節症などは、食べる時に使う咀嚼筋が過度に緊張することが原因となって生じます。
ボトックス治療とは、その咀嚼筋、咬筋、側頭筋などにボトックスを直接注入することにより、筋肉の過緊張を取ることで症状の改善を図る方法です。
歯科におけるボトックス治療の効果
- 顎関節症の緩和
- 歯ぎしり・喰いしばりの緩和
- 歯ぎしりによる歯の擦り減り抑制
- 歯の詰め物や被せ物の脱落防止、破損抑制
- 歯周病の進行
- 肩こり、頭痛などの改善
- 歯の知覚過敏の改善
また、咬筋ではないですが、
- ガミースマイル(歯茎が目立つ口元)の改善
- オトガイ部の梅干しシワ(顎にできるシワ)の改善
ボトックス治療の副作用
局所の反応として、痒み(4%)、注射部疼痛(4.4%)、筋痛(2.6%)、発疹(1.7%)などがありますが、一時的なもので、注射した箇所の周りに限られます。施術後多少赤みや腫れが残りますが、通常1~2日で落ち着きます。
まれに腫れが強く出たり、内出血を起こすことがあり、その場合目立たなくなるまで1~3週間かかることがあります。
薬効の持続期間
この薬の効果は、2、3日~2週間で現れ、通常3~4ヶ月持続します。その後、時間が経つにすれて徐々に効果が消失し神経の働きが回復してくるため、注射前の状態が再び現れてくる場合もあります。
この場合、ボトックスを再投与することで同様の効果が得られます。
効果が弱くなってきたら、繰り返し注射することができます。また、繰り返すことで改善率が上がってきます。効果が弱い場合は、施術後2~4週目に追加投与を行います。
ボトックス治療を受けられない方
- 全身性の神経筋接合部の障害(重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など)をお持ちの方
- 妊婦、授乳婦
- 妊娠を望んでいる場合、女性は月経2回を経過するまで避妊、男性は3ヶ月の避妊
- 筋弛緩薬を服用中の患者さまはご相談ください
費用について(保険適用外)
- ボトックス治療
- 1回 29,700円
3回 89,100円
ボトックス治療の安全性
アメリカやイギリスを含め80ヶ国以上で承認されています。日本でも治療薬として1997年4月から厚生労働省の認可を受けており、安全性はすでに確立されています。ボトックス注射の成分は、ボツリヌス菌の産生する「A型ボツリヌストキシン毒素」を分解・精製したタンパク質の一種です。
毒素といっても、治療に使用するものは生理食塩水で薄められ、人体に影響することはありません。